天国と地獄はなかよし

たこさんのしがない日常。

きみは刺青だらけの腕をしっかりと捕らえて

近所のサンドイッチ屋でダラダラしていた。

最近できたその店はなんと上がタトゥースタジオ。よって?サンドイッチ屋のスタッフも手首から首まで刺青だらけである。

刺青フェチのわたしとしてはむしろウェルカムなので、内心ホクホクしながらアイスコーヒーをすすっていた。

そしたら突然こども達がその店に駆け込んできた。6歳前後の子たちが3人。

ワーワー騒ぎながら当たり前のようにカウンター席に座って、ジュース!おやつ!などと言っていたが、よくよく聞くとお小遣いで買えるものを会議しているようだった。

そしてこども達はいったんハケた。

すぐに戻ってきて、紙コップにカルピスでパーティが始まった。

いやもうほんとね、ほんとに元気。

店員の名前が「カギヤマ」みたいな名前だったんだけど、「ハゲヤマー!!」って叫ばれてた。カギヤマさんかわいそう。

あとカウンターの向こう側のキッチンにも余裕で侵入してた。

外に出て店前でもワイワイやってたので目を運んだら、ぼくは見てしまったのだ。

タトゥーだらけの兄ちゃんの腕に、少女がその細い腕をしっかり絡ませているのを。

 

「ははーん!」

 

すぐにひらめいた。

恋を、しているんだね。

女の子がワルに惹かれるのはポピュラーなことだけど、いささか目覚めが早いぞきみ。あとワルの度合いが普通じゃない。

おまわりさんが通りがかったら困るのはお兄さんの方だぞ!てか親が見たら失神するぞ!

 

なんて思いつつ、とても癒された。

6歳前後の子に刺青の意味ってわかるのかな。

 

わたしはとても刺青が好きだ。

高校生の頃に可愛がってくれた男の人たちは刺青が入っていることが多かった。

大学生の頃の彼氏も、手首から乳首まで二匹の龍が気持ちよさそうに遊んでいた。

ちなみにその龍たちに瞳は入っていなかった。白目だけってことね。

「瞳を入れると、飛んでいってしまうんや。」

ってあなたは話していたけど、酔っ払うとその辺のボールペンで黒目を書いて遊んでいたね。台無しや!

 

きみはこんな風になったらアカンで……!と、心の中で訴えながら少女を見つめたかったけど、お兄さんもろとも職質されそうなのでやめました。

 

今後が楽しみです。

ばいばーい!